勝部建築(島根県出雲市)の社長・勝部宏さんは、「高性能住宅と言えば勝部建築」と顧客から自然に“指名”されるような状態を目指し、全国を飛び回って学びを深めている。それができるのは「妻の大きな支えと、信頼する社員大工の存在があるからこそ」だという。
同社の大工3人は、それぞれが材料の発注や職人の手配を含む現場の監督業務まで担う。施工管理アプリ「クラフタ」を活用し、確定した現場の情報をアプリに入れておけば、各大工が設計図面や仕上げ表、工程表などを確認しながら、担当する現場の割り振りまで自分たちで決定。現場の進捗に応じたサポート体制まで、大工が判断する。勝部さんは「うちの大工は本当にすごいと思うし、逆に大工の側から経営者の自分に対して、自社の家づくりのレベルアップのための情報収集やインプットを期待されている」と語る。
同社の大工の技術の“よりどころ”になっているのが、勝部さんが自社の中では一番キャリアの長い糸川さんと共につくり上げた「施工管理マニュアル」だ。現場の施工精度・品質を担保するのと同時に、若手大工の育成の指針ともなっている。地鎮祭の準備から引き渡しまで数百に及ぶ現場のあらゆる作業について、テキストと写真・図版により詳細に手順を説明し、作業内容に応じた道具・持ち出し品のチェックリストも完備する。
勝部さんは「初めての場合でも、先輩と一緒にマニュアルを確認しながら一度、作業を経験すれば、短い期間で単独でこなせるようになる」と説明、「ミスが起きても、それをすぐにマニュアルに反映して社内共有することで、同じミスを繰り返さないように徹底しており、マイナスをプラスに転換している」する。入社3年目の三嶋さんも、マニュアルに沿って作業経験を重ねた結果、いまでは監督業務も含めて一般的に言う棟梁の役割を滞りなくこなしている。
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