日本エクステリア工業会の製品別出荷統計表によると、2016年から22年にかけてエクステリア製品の出荷金額は増加傾向にある。フェンスや門扉、カーポートなどが増加傾向で、合成木材デッキは横ばいで推移している。一方でバルコニー(柱建て・屋根置き・持出しなど)は、7年間で3分の1程度まで減少した。
共働き世帯の増加で洗濯物の室内干しが一般的になり、動線を短くまとめたランドリールームが人気となる一方、バルコニーはメンテナンスコストだけかかることも。平屋志向の生活者も増えたことで、バルコニーのない住宅も増えた。バルコニーの減少は、時代の変化が要因とも言えるだろう。
建材メーカーのMINO(長野県伊那市)においても、バルコニーは減少傾向で、23年度の売上は18年と比較して7割弱まで落ち込んだ。一方で、ガーデンデッキ・ルーフデッキの売上は倍増している。「憩いの間としての屋外空間は価値がある」と話す同社取締役常務の杉本康浩さんに、変化し続けるエクステリア建材の販売戦略に迫った。
―バルコニーの売上が減っている一方で、デッキが増加している理由は?
杉本 「業界全体でバルコニーは減少傾向にあり、当社も売上減は顕著になっている。だが、ウッドデッキ・ルーフデッキの売上は右肩上がり。デッキの売上増加のきっかけは、ヘーベルハウス(旭化成ホームズ)の『そらのま』だろう。2階リビングの一部を半屋外空間とした設計だが、木も人工木材も反ってしまうと開き戸が開かなくなってしまうため、当社のウレタン素材の『彩木』がデッキに採用された。この住宅商品は、部屋干し空間もあるが、半屋外の空間もマルチに活用できるつくりになっている。
彩木は、メンテナンスしやすく意匠性にも富んでいるのが特徴。耐候性・耐水性・断熱性に優れ、劣化が少ない建材として市場認知が広がっている。エンドユーザーにとって・・・
この記事は新建ハウジング12月20日号12面(2024年12月20日発行)に掲載しています。
住宅ビジネスに関する情報は「新建ハウジング」で。試読・購読の申し込みはこちら。