日本人の健康をつくる住宅断熱リフォーム推進協議会(健断協、代表理事=岩前篤・近畿大学副学長)、2020年を見据えた日本の高断熱住宅研究会(HEAT20)などによる住宅断熱リフォームシンポジウム2024が12月5日に開催された。HEAT20監修・執筆の「既存断熱改修マニュアル2024」の発行を受け、HEAT20理事・住環境α研究所所長の栗原潤一さんがマニュアルの内容を解説した。
同マニュアルは既存住宅の外皮全体の断熱改修(全体改修)を前提に、計画や施工の注意点をまとめている。全体改修では、断熱層を連続させることが基本で、断熱材の取り合い部や間仕切り壁などに気流止めを施工する。気密・防湿層も連続していることが重要。栗原さんは「低気密は冬の不快感につながる」と注意を促す一方、内部結露のリスクを避けるため「住宅性能評価機関が提供している計算シート」の使用を推奨した。
部位別では「屋根断熱にする場合、小屋裏換気口があったらふさぐ」、「外壁の改修時は腐朽を補修し、できるだけ耐震改修も行う」、「窓は重量が増すので下地やサッシの戸車が大丈夫か注意する」などのポイントを紹介。同マニュアルではまた、居住者の住まい方についても触れている。「改修後がG1以上になれば光熱費はさほど気にならなくなる」として、冬季の連続暖房を推奨。夏は「日射を室内に入れない」ことが重要だとした。
快適と健康をイコールにしない
シンポジウムの後半は岩前さん、栗原さん、健断協事務局長のコマツアキラさん(サンプロイノベーションラボ本部長、LOCAS取締役)の3人によるトークセッションを実施。岩前さんは・・・
この記事は新建ハウジング12月20日号6面(2024年12月20日発行)に掲載しています。
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