環境省は11月29日、建築物の省エネ化に関する2024年度補正予算案が閣議決定されたと発表。経済産業省・国土交通省との連携事業として、「業務用建築物等のZEB化・省CO2化普及加速事業」(予算額:48億円)、「脱炭素改修加速化事業」(予算額:111億7500万円)などを継続して実施する。
同省は2050年ネット・ゼロを実現するためには、CO2削減ポテンシャルが高い大規模建築物への対策が不可欠であると説明。その一方で、既存建築物の多くが現行の省エネ基準を満たしていないことから、これらの建築物の脱炭素化を進めたい考え。
木材・木質部材利用を優先採択
ZEB・省CO2化普及加速事業では、新築・既存の建築物ZEB化に資する設備機器の導入や、ZEB化達成・省CO2効果に関する調査を行うための支援事業を実施。優先採択枠を設け、補助対象事業者が締結した建築物木材利用促進協定に基づいて木材を用いる事業、CLTなどの新たな木質部材を用いる事業などを優先的に支援する。あわせて「省CO2化と災害・熱中症対策を同時実現する施設改修支援事業」「サステナブル倉庫モデル促進事業」を実施する。
脱炭素ビルリノベにも補助金
また既存業務用施設の脱炭素化を早期に実現するため、「脱炭素改修加速化事業」(脱炭素ビルリノベ事業)では外皮の高断熱化、高効率空調機器の導入費用を補助。▽改修後の外皮性能BPIが1.0以下となること▽一次エネルギー消費量が30%または40%程度以上削減されること▽BEMSによるエネルギー管理を行うこと―を要件として、断熱窓、断熱材、高効率空調機器、高効率照明器具、高効率給湯機器を対象に定額補助を行う。2024年度から最大4年間の工事計画も対象となることから、施工期間を長く取ることも可能となっている。
他に他省との連携による省エネ関連予算として、▽断熱窓への改修促進による住宅の省エネ・省CO2加速化支援事業(予算額:1350億円)▽既存住宅の断熱リフォーム支援事業(9億4000万円)▽脱炭素志向型住宅の導入支援事業(500億円)▽民間企業による再エネの導入及び地域共生加速化事業(70億円)▽脱炭素技術による工場・事業場の省CO2化加速事業(30億円)―などが盛り込まれている。
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