国土交通省は、発注者の通知義務などを盛り込んだ建設業法施行規則及び施工技術検定規則の一部を改正する省令を12月中頃に公布・施行する。
主な改正内容は、(1)建設工事の受注者が請負契約の締結前に注文者に通知すべき情報、(2)監理技術者等の専任合理化を認める要件、(3)営業所技術者の職務合理化を認める要件、(4)国土交通大臣による監督処分の公告方法の拡充、(5)国土交通大臣が調査を行う事項の追加―など。
リスク情報を見積書に添付
(1)事前に注文者に通知すべき情報については、資材高騰に伴う労務費へのしわ寄せを防止するため、改正建設業法に基づき▽主要な資機材の供給不足・遅延▽資機材の価格高騰▽特定工事における労務の供給不足、価格の高騰―などのリスク情報を明記することとなった。これらの情報を記載した書面を請負契約の見積書に添付することが義務化される。
(2)(3)監理技術者および営業所技術者の専任の合理化では、同一の主任技術者または監理技術者などが複数の工事現場を兼務できる、あるいは営業所技術者が現場の監理技術者職務を兼務できる要件として、次の項目を挙げた。
①請負金額が1億円未満(建築一式工事は2億円未満)
②工事現場間の距離が1日で巡回可能かつ移動時間がおおむね2時間以内
③各建設工事の下請け下数が3次まで
④監理技術者等との連絡およびその他必要な措置を講ずる者の配置(実務経験1年以上など)
⑤工事現場の施工体制を確認できる情報通信技術の措置(CCUSの活用など)
⑥人員の配置を示す計画書の作成、現場据置、保存
⑦工事現場以外の場所から現場状況を確認するための情報通信機器の設置
なお、今回の改正に併せて12月中に「発注者・受注者間における建設業法令遵守ガイドライン」「監理技術者制度運用マニュアル」を改訂する予定となっている。
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