LIXIL(東京都品川区)は11月29日、同社が発行する地場工務店が手掛けた断熱リノベの実例集「断熱リノベの匠」で、第6弾となる事例を公開した。
SW(スーパーウォール)工法リフォーム加盟店の多賀工務店(広島県福山市)が手掛けた築70年の木造2階建てをフルリノベーションした事例で、非日常を楽しむリゾートライクなモデルハウスに再生した。
子育てを終えた50代の夫婦二人暮らしを想定し、減築しながらも広々と暮らせる吹き抜けのある間取りに変更。内壁にはシラス壁、無垢の床材、天然石など自然素材を使用し、安らぎやリラックス効果が得られる空間とした。キッチンはシンクと調理機器を分けるセパレートタイプとしたことで、レンジフードが空間を遮らない開放的なデザインとなっている。
寝室の窓際にはヌックコーナーを設け、内装などをすべてオリジナルデザインで造作するなど、各所のインテリアにもこだわった。新たにテラスを増築し、杉板を加工した軒天や天然石、ブラックで統一したアイアンと窓枠など、モダンかつリゾートライクを演出している。
そのほか、太陽光発電システムと全館空調「エコエアFine」、V2Hといった最新設備を採用し、持続可能な社会に貢献できる暮らしを目指す。断熱改修工法には「まるごと断熱リフォーム」を採用し、HEAT20 G3グレードを実現。基礎や構造はそのまま活かして補強し、SWリフォームパネルで断熱グレードを向上させた。改修後のUA値は0.26W/m²K、C値は1.18。
多賀工務店は、住宅性能・デザイン性に注力し受注棟数を伸ばしてきたが、今後の市場変化に対応するためリノベブランド「Re.Style」(リードットスタイル)を発足。今回、事務所隣の空き家を、モデルハウス「C Studio(シースタジオ)」としてオープンした。同社周辺は、子どもが独立後の実家リノベなどが見込めそうなエリアで、モデルハウスは断熱リノベ住宅が体験できると好評だという。地元のニーズに応えられるよう、新築に劣らない魅力ある提案をしていきたいとしている。
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