帝国データバンク(東京都港区)は11月28日、全国「女性社長」分析調査(2024年)の結果を発表した。同社のデータベースをもとに、全国約119万社の事業会社から女性が社長(代表)を務める企業を抽出、分析したもので今回で11回目。国内企業の女性社長比率は、10月時点で前年比0.1%増の8.4%と過去最高を更新した。1990年の4.5%から緩やかに上昇しているものの、女性社長比率は依然1割を下回り低水準が続く。
年齢構成比では、「60~64歳」が13.6%(前年比0.2%増)と最も高かった。「70~74歳」は12.1%(同1.2%減)と低下した一方、「75~79歳」は11.4%(同0.6%増)と上昇した。「団塊の世代」(1947年~1950年生まれ)の高齢化が影響しているとみられ、「75歳以上」は2020年から3.3ポイント増の21.7%と過去最高を更新している。男性社長も含めた全体では、「55~59歳」(15.0%)が最も割合が高く、75歳以上は14.7%と女性社長の高齢化が明らかとなった。
業種別では、「不動産」(17.4%)が他業種に大きく差をつけてトップとなった。10業種のうち7業種で全体比率の8.4%を下回っており、「建設」(4.9%)は6年ぶりに0.1ポイント上昇したものの、唯一5%に届かなかった。細分類別でも、下位10業種のうち「金属製建具工事業」(2.6%)、「左官工事業」(2.7%)など8業種が建設業だった。
政府は、「2020年代の可能な限り早期」での「女性管理職30%目標」に加え、2025年までに東証プライム市場上場企業の女性役員比率を19%とする目標を設定。「女性版骨太の方針2024」では女性リーダー育成に焦点を当てているが、目標達成できる見通しは立っていない。女性起業家の拡大や多分野での活躍に向けた取り組みが進められているが、同社は数値目標達成が目的の登用には注意が必要だと指摘。女性の活躍は、労働力不足解消やダイバーシティ促進による経営改善などを目指すものであり、適材適所の人材登用が求められるとしている。
■関連記事
女性社長比率、トップは不動産の25% 最下位は建設業 TSR調べ
女性管理職が初の1割超え、建設は7.2%にとどまる
住宅ビジネスに関する情報は「新建ハウジング」で。試読・購読の申し込みはこちら。