経済産業省が薄くて軽く、折り曲げられる「ペロブスカイト太陽電池」を普及させ、2040年に原発20基分に相当する20ギガワットを賄う目標を検討していることが25日、分かった。脱炭素社会の実現に向けて補助金などで次世代技術の導入を支援し、再生可能エネルギーの拡大を目指す。年度内に見直す「エネルギー基本計画」にも反映させる。
26日に開く官民協議会で、普及目標を盛り込んだ次世代太陽電池の戦略案を経産省が提示する。ペロブスカイト電池は従来の太陽光パネルより発電コストが膨らむため、25年度から当面の間、費用の一部を補助する。
23年度の再エネ発電量は、水力発電を含めて22.9%。現行のエネルギー計画は30年度に36~38%へ引き上げる目標を掲げている。40年度の電源構成が示される新たな計画は、ペロブスカイト太陽電池の普及も見込んで再エネ比率がさらに引き上げられる見通しだ。
ペロブスカイト電池は、従来は難しかったビルの壁面など場所を選ばずに設置できるのが特長。再エネ拡大の切り札として、民間企業にも開発の動きが広がっている。積水化学工業は25年に事業化すると表明し、東京電力ホールディングスなどと共に東京都内の高層ビルに設置する計画を進めている。
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