建設業に特化したクラウド型AI業務管理システムを提供するCONOC(東京都渋谷区)がこのほど実施した「土木業に関する実態調査」によると、土木業界の魅力について、6割以上が「技術やスキルが身につくこと」と回答。その一方で、労働災害のリスクや労働環境の厳しさといった課題も指摘され、環境改善の必要性が示唆されている。
同調査は、全国の20~59歳の土木従事者537人を対象に実施したもの。
まず土木業界に就職した理由について尋ねたところ、「資格やスキルを活かせると思ったから」(58%)、「安定した収入が得られるから」(57%)、「建設やインフラ整備に興味があったから」(54%)といった回答が多数を占めた。
土木業の魅力や“やりがい”についても同様に、「技術やスキルが身につくこと」(64%)または「技術やスキルが向上する実感」(61%)、「目に見える成果が残る」(48%)または「完成した構造物を見たときの達成感」(53%)などが上位を占め、専門性の高さや目に見える成果を評価する傾向が見られた。
給与体系の見直し求める声も
一方で、大変だと思うことについては、「労災やケガのリスク」(53%)、「労働環境の厳しさ」(48%)、「季節や天候による影響の大きさ」(46%)、「職場の人間関係」(42%)や「重労働による体力消耗」(40%)の順に回答が多かった。
具体的に求める対策では、「給与体系の見直し」(61%)、「現場の労働環境の改善」(53%)、「働き方改革」「福利厚生の拡充」(各46%)に加えて、「若手や未経験者の採用・育成」(48%)など人材育成に関連する要望が挙がっている。
建設業ではいまだに、保有資格や就業経験・スキルなどが給与に反映されていないケースも多い。若手からベテランまですべての技能者が、能力や経験に応じた処遇が受けられるよう、まずは給与体系について見直すことが喫緊の課題となっている。
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