矢野経済研究所(東京都中野区)は11月22日、国内のCAD/EDA市場に関する調査結果を発表した。2023年度の市場規模は、メーカ出荷金額ベースで3211億5300万円(前年度比3.5%増)となった。CAD市場は、円安の影響で好調な製造業が設備投資を進めたことから堅調に推移。EDA市場は、半導体産業再興に向けた取り組みが本格化し、製造・開発拠点開設の動きもみられ、上向き基調にある。
土木・建設業界では、原油等エネルギーおよび原材料価格が高騰するなか、業務効率化に取り組むユーザー企業を中心に、CADソリューションへの投資が堅調だった。
CADソリューションにおいて活用が進むAIは、検証や解析と親和性が高く、EDA領域もそのひとつ。半導体設計において多大なリソースがかかっていた検証/設計でのAI活用は、すでに実装化されユーザーから高い評価を得ている。AI活用関連では、図面作成・設計の自動化がユーザーから強く求められており、関連機能の開発が進む。
2024年度の市場規模は、前年度比5.5%増の3388億1100万円と予測。為替動向やインフレ加速などによる経済環境の悪化は、市場の拡大を減速させる可能性もあるが、市場概況が継続し、ユーザー企業のDX推進・ものづくりプロセスの高度化への意欲が醸成されていることから、AI・自動化機能などの提供が進むと見込む。半導体分野を重要視する企業も増加傾向にあり、市場は成長を続けるとみられる。
■関連記事
ARCHITREND ZEROの設計データと様々な業務をつなげるクラウドサービス
住宅建材市場、2023年度は前年度比3.5%増 矢野経調べ
【激論】AIは住宅設計の敵か?味方か?
住宅ビジネスに関する情報は「新建ハウジング」で。試読・購読の申し込みはこちら。