国土交通省は11月19日、主要都市(全国80地区)の高度利用地などにおける地価動向を調査した「2024年第3四半期・地価LOOKレポート」(7月1日~10月1日)を公表した。この調査結果によると、3期連続で住宅地・商業地の全地区で地価が上昇。このうち住宅地は10期連続、商業地は3期連続での上昇となった。
上昇の要因として、住宅地では利便性や住環境の優れた地区でマンション需要が堅調だったこと、商業地では再開発事業の進展や国内外からの観光客の増加により店舗・ホテル需要が堅調だったこと、オフィス需要が底堅く推移していることが挙げられている。
全80地区のうち「上昇(3~6%)」は5地区で、「上昇(0~3%)」は75地区。住宅地では、福岡市大濠で変動率区分が「上昇(0~3%)」から「上昇(3~6%)」に移行した。
福岡市大濠は、大規模一般住宅の中にマンションが混在する地区。第3四半期中にマンション分譲で前例がないほどの高額物件が成約。利便性に優れた高稼働の築浅賃貸マンションを中心に家賃の強含み傾向が見られる。また、優良なマンション開発が行われるエリアでは素地の需給がひっ迫。素地が売り出された場合に需要が殺到することが予測されている。
商業地では変動率区分に変化はなく、東京都中央区銀座中央、新宿区歌舞伎町、横浜市みなとみらい、京都市京都駅周辺で「上昇(3~6%)」の高い上昇率を維持した。
このうち京都駅周辺は、高層の事務所やホテルが建ち並ぶ地区。観光客の集散拠点となっていることから外国人観光客が多く、飲食・土産物の店舗賃料が高値で安定している。オフィスや店舗の需要、駅周辺における各種開発への期待感もあり、地価動向は今後も上昇が続くと予想される。
■関連記事
ラピダス進出地域、家賃2倍超 北海道千歳市、需給逼迫で
「不動産情報ライブラリ」でデータ更新 不動産価格情報など
住宅ビジネスに関する情報は「新建ハウジング」で。試読・購読の申し込みはこちら。