次世代半導体の量産化に向けてラピダス(東京都千代田区)が工場を建設中の北海道千歳市で、賃貸物件の需給が逼迫(ひっぱく)し、ファミリー向けの平均賃料が工場建設が始まった約1年前に比べて2.2倍に上昇していることが20日、分かった。不動産情報サービスを手掛けるLIFULLが調査した。
同社は運営するサイト上に2021年4月から24年10月に公開された賃貸物件情報を分析した。
23年2月にラピダスの進出が発表されて以降、工場関係者や関連企業の需要が強まり、賃貸の入居者募集件数がシングル向け(ワンルームから2K)、ファミリー向け(2DK以上)ともに大幅に減少。家賃は昨年9月の建設開始後に値上がりし、千歳市のファミリー物件の平均賃料は今年10月には10万5409円と、昨年9月比で2.2倍となった。今夏から新築物件も出ているが、需要に追いついていないのが実情だ。
一方、半導体受託製造世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC)が進出した熊本県菊陽町周辺(大津町、合志市含む)では、新築の供給数が大幅に増加。これに伴い、ファミリー向け平均賃料は着工時に比べて約6割増となった昨年8月をピークに、足元では同3割増程度で推移している。
■関連記事
半導体新工場、地価押し上げ 熊本の建設地周辺、伸び率1位
上昇率1~3位が半導体工場周辺 熊本・北海道、誘致の効果鮮明
住宅ビジネスに関する情報は「新建ハウジング」で。試読・購読の申し込みはこちら。