エヌ・シー・エヌ(東京都千代田区)が11月14日発表した2025年3月期第2四半期決算は、売上高が前年同期比8.7%減の38億5100万円、営業利益が同281.5%増の8800万円、経常利益が1億1800万円、最終利益は6800万円。第1四半期は各段階利益で赤字となったが、第2四半期に入りグループ各会社が黒字化し、利益面の回復に寄与した。
セグメント別では、住宅分野は木材相場が落ち着いたことにより1棟あたりの平均売上金額が下落。SE構法出荷数も447棟(同2.6%減)となり、売上高は23億4100万円(前年同期比7.6%減)となった。一方、構造計算出荷数はSE構法登録施工店へのサポート体制を強化したことにより518棟(同11.9%増)と増加。省エネ計算数も第2四半期に入り大きく増加した。
大規模木造建築(非住宅)分野は、関西万博のパビリオンでキャンセルが発生したことや、大型案件が下期に集中したことなどから、売上高13億800万円(14.0%減)にとどまった。
一方で、2025年の法改正に向けて構造計算出荷数がV字回復。店舗などの木造非住宅のSE構法出荷数は73棟(同10.6%増)、構造計算出荷数は83棟(同15.3%増)と好調だった。SE構法以外の大規模木造建築設計を扱うグループ会社の木構造デザインでは、非住宅木造建築物の構造計算出荷数が128棟(同17.4%増)となった。
環境設計分野は、長期優良住宅の申請に必要な耐震性能計算と省エネ性能計算ニーズの高まりを受け、売上高は1億4700万円(同13.5%増)に。木造住宅・集合住宅・非住宅木造物件向けの一次エネルギー計算書の出荷数は1742件(同11.0%増)、長期優良住宅申請サポート件数は270件(同25.6%増)と大きく伸長した。
グループ会社の業績は、木造建築に関するBIMソリューションを開発・展開するMAKE HOUSE(メイクハウス)の売上高が前年同期比で72.3%増と大幅に増加。大規模木造建築事業を展開する翠豊は大型案件の引渡しもあり、売上・利益ともに前年同期を上回った。持分法適用関連会社のMUJI HOUSEは第2四半期期間に黒字化を実現。SE構法による「無印良品」初の木造建築2店舗を9月にオープンした。
通期は従来予想を据え置き、売上高は89億7600万円(前期比12.2%増)、営業利益は2億2300万円(同168.6%増)、経常利益は2億8500万円(同497.0%)と大きく改善。最終利益は2億800万円を見込んでいる。
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