住友林業(東京都千代田区)と中央日本土地建物(東京都千代田区)は11月18日、米ジョージア州アトランタ中心部のウェストミッドタウンで賃貸用集合住宅「NOVEL Blandtown(ノベル ブランドタウン)」を開発すると発表した。木造・RC混構造7階建てで、賃貸床面積2万762㎡、総戸数250戸。両社の協業はワシントンD.C.やデンバー、シアトル近郊の集合住宅開発プロジェクトに続き4件目。11月着工、2027年5月に竣工予定。2026年10月以降、順次賃貸を開始する。
「NOVEL」シリーズは、住友林業の100%子会社Crescent Communities, LLC(クレセント社)が展開する賃貸用集合住宅のハイグレードモデル。開発の際はステークホルダーとともに基本構想を作り上げており、同物件も「住む・働く・遊ぶ」都市型のライフスタイルを志向する若年層をターゲットに、仕切りのないスタジオタイプから2ベッドルームタイプまで、ライフスタイルにあったプランを供給する。屋上ラウンジやプール、映画観賞用の大型スクリーンなど、共用施設も充実している。
建物は、1~2階が鉄筋コンクリート造、3~7階は木造の混構造。上層5階に木造枠組壁工法を採用し、2×4材の規格品を使用することで、RC造よりもコストおよび「建てるときのCO2(エンボディドカーボン)」排出量を削減。木造建築の普及を促進し、脱炭素に貢献するとしている。
開発地は、流行の発信地として若い世代に人気が高く、アトランタ市最大の雇用集積地のミッドタウンやハーツフィールドジャクソン・アトランタ国際空港に近いなど、交通利便性・生活利便性に優れている。同物件はアトランタ中心部を囲う多目的トレイルに接続する通路を設ける計画で、徒歩や自転車で各所にスムーズにアクセスできるという。
住友林業の100%子会社クレセント社と、中央日本土地建物の100%子会社Chuo-NittochiⅠLLCとの共同出資会社が開発主体となる。住友林業の100%子会社SFCアセットマネジメント(東京都千代田区)が、プロジェクトの取りまとめや調整を行う。
住友林業グループは、2017年に米国の賃貸用集合住宅開発に参入以降、2023年には集合住宅の年間着工戸数が全米9位相当となるなど事業を拡大している。今回、ウェストミッドタウンエリアで新たな事業機会を探っていたクレセント社と、海外事業のエリア拡大を図る中央日本土地建物が、賃貸用集合住宅開発事業を組成。中央日本土地建物が、開発事業で米国現地に拠点を置く不動産デベロッパーと単独で協業するのは初となる。
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