日本を含む7カ国で構成されるG7都市大臣会合が11月3~4日の2日間、イタリア・ローマで開かれ、持続可能な都市開発に関する課題について議論。各国が連携して都市・住宅政策に取り組むことで合意した。参加国は日本、イタリア、カナダ、ドイツ、フランス、英国、米国。日本からは天河宏文・国土交通審議官が参加した。
都市大臣会合の開催は、昨年7月香川県高松市での開催に続いて3回目。世界共通の課題として、①ネットゼロ、レジリエンスな都市、②インクルーシブ(包括的)な都市、アフォーダブル(手頃)な住宅、歴史・文化、③イノベーション創出とデジタル化―の3テーマについて議論を交わした。
①ネットゼロ、レジリエンスな都市では、▽適応策と緩和策による気候変動対策▽希少資源の使用削減▽汚染要因の削減・除去▽健康的で住みやすい都市環境の構築▽再生可能エネルギーの導入の加速▽木材など低炭素材料の使用―などを推進。都市と農村部とでバランスの取れた地域開発を促進する。
②インクルーシブな都市、アフォーダブルな住宅では、▽社会的弱者・高齢者などに対するサービスの提供▽住まいがなくなる危険性のあるすべての人が入手可能な住宅の提供▽適した仕事・スキルを生かせる「高生産性都市」の強化―などを追求。現在活用されていない歴史遺産・場所・空間を再利用しつつ、遺産保全に向けた包括的な政策を行う。
③イノベーション創出とデジタル化では、▽データプラットフォーム、デジタルツインを採用した都市計画とスマートシティの取組▽先進的な機関や企業、スタートアップ、教育機関とともに構築する都市のエコシステム―などを共同行動として掲げた。都市の監視・報告システム、デジタルツインなどで活用するアプリケーションの簡素化や相互運用を実施する。
日本は居住支援などに重点
会合の中で日本は、国内で実施する具体的な施策として、都市緑地の認証制度「TSUNAG(ツナグ)認定」の取得促進、高齢者・単身者に対する居住支援、3D都市モデル「PLATEAU(プラトー)」の普及を挙げた。加えて、2027年に横浜で開催する「2027国際園芸博」への出展・参加を各国に呼び掛けた。
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