作業療法士の満元貴治さん(HAPROT)が提唱する安全持続性能を導入している工務店らによる「安全持続性能の会」の第3回全国大会が10月24日、大阪府内で開催された。全国から14社が集まり、会員の大幸綜合建設(東大阪市)による安全持続性能を導入した住宅事例を、満元さんの解説を受けながら見学した。
見学したのは枚方市内に建つ「楠葉の家」。4年前に“DAIKOstyle”としてリブランディングしてから14棟目の事例で、安全性(転倒・転落など事故の予防)で3つ星、持続性(身体やライフスタイルの変化への対応)で2つ星と評価され、総合評価では最高の3つ星評価を取得している。
住宅内で特に事故のリスクが高いのが階段だ。楠葉の家では、階段に格子壁を設けることで転落事故を防ぐ。設計を担当した同社の西田宏則さんは当初、腰壁にするつもりだったが「お客様の不安を考慮して格子壁に変更し、圧迫感を軽減するために格子のピッチを細かく検討した」。満元さんも「安全でしかもかっこいいし、手すりとしても機能する」と、西田さんの工夫を高く評価した。
さらに、階段の手すりは「降りるときに利き手側になる」よう配置するため、ヒアリングシートには「利き手を記入する欄」も設けているという。
一方で今回の事例では踏面の奥行250㎜を確保することができたものの、面積が限られた敷地が多いため「安全な幅の踏面を確保するのは難しい」(西田さん)という苦労もあるそうだ。
会員継続の条件を学びと実践に
見学会後には総会を開催し、実績報告やグループワークを行った。満元さんが評価した住宅は60棟を超え、ラベルを発行した住宅も約40棟に。満元さんは会員らに対し・・・・
この記事は新建ハウジング11月20日号7面(2024年11月20日発行)に掲載しています。
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