30年近く前から大工の育成・社員化に取り組んできた丸三ホクシン建設(北海道石狩市)には、現在16人もの大工がおり、うち13人が社員大工だ。若手大工を育成するノウハウは社内に十分蓄積されているが、社外の訓練校もあえて利用している。その狙いは何か。社長の首藤一弘さんに聞いた。【ライター 金井友子】
丸三ホクシン建設がある石狩市周辺で大工を目指す場合、昔ながらの徒弟制度と大手ハウスメーカー運営の訓練校を除けば、「札幌高等技術専門学院(通称:技専)」、または再就職支援の色合いが濃い「ポリテクセンター北海道」のどちらかに通うことになる。かつてはさらに、民間運営の「認定職業訓練校」という選択肢もあった[表]。
1963年生まれの首藤さんやベテラン大工の多くは、認定職業訓練校の出身者だ。ここで3年間学び、首藤さんに至っては卒業後、大工の傍ら「職業訓練指導員」として20年ほど若手の育成にも携わった。だが、バブル崩壊後は縮小の一途をたどり、首藤さんの出身校は2014年に閉校してしまった。
訓練校の入校を後押し
同社にはすでに、「3人1組」のチーム制で若手の社員大工を育成するノウハウや、給料制でも意欲・やりがいが減らない工夫、若手を喜んで受け入れる空気感が社内で醸成されており、大工の成長に必要な環境は十分に整っている。
だが首藤さんはあえて・・・
この記事は新建ハウジング11月20日号5面(2024年11月20日発行)に掲載しています。
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