斎藤建設(栃木県那須塩原市)は、価値観を共有した顧客に、良材として知られる「八溝(やみぞ)材」を全面的に用いた断熱等級6超・耐震等級3(許容応力度計算)の高性能住宅を提供する。社長の斎藤賢一さんは、墨付け・手刻みなど大工の伝統的技術を活用することにもこだわり、家づくりを通じて次世代に大工の技術をつないでいくことを重要なミッションとして掲げる。 【編集部 関卓実】
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地元・栃木と茨城、福島3県にまたがる八溝山系から産出される八溝材(スギ・ヒノキなど)は関東きっての良材とされ、木目がきれいなうえ、強度が高く狂いにくいといった特性を持つ。斎藤さんは「家づくりには最適な木材。“地産地消”をうたいながら、この高品質な木材を使えるのは地元工務店にとって大きなアドバンテージだ」と話す。
地元の製材会社と緊密に連携し、柱や梁・桁といった構造材は全てグレーディングしたE70(ヤング係数)以上のみを調達。同社では、構造材にはスギを用いており、斎藤さんは「E90超といった高い強度の材料も少なくない。全てE70以上で許容応力度計算ができるため、柱の直下率を意識しながら構造区画をしっかりとプランニングすれば、地元のスギ材をフル活用しながら十分に耐震等級3の躯体をつくることができる」と説明する。
構造のほかにも下地材をはじめ、外壁材や床・壁・天井の内装材、キッチンや棚を製作するための造作材など、あらゆる箇所に八溝材を用いる。
全面的に地域材を使う家づくりに欠かせないのが・・・
この記事は新建ハウジング11月20日号4面(2024年11月20日発行)に掲載しています。
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