ひかりハウジング(岐阜県多治見市)は昨年、新卒採用での内定辞退を防ぐ新たな試みとして、内定者だけで実際のモデルハウスをつくる「24プロジェクト」を実施した。2024年3月卒の内定者6人が一致団結して設計をまとめ、マーケティングまで自分たちで検討。業務への不安が払拭され、仲間との絆も深まったおかげで、6人全員が入社するに至り、モデルハウスも10月に無事にオープンした。
同社は8年前から新卒者を採用しているが、直近の2~3年は内定辞退者の多さが課題になっていた。内定を出しても、市場規模が大きな岐阜市や、愛知県内の住宅会社を選ぶ学生も多く、内定者の半数が辞退する年もあった。
社長の横田隆一さんは、辞退者が出ても短期的な影響はないとする一方で「2~3年後には必ず厳しい時期がやってくる」という。足りない戦力を補うために中途採用を行ったとしても、求める人材がいない、入社してもすぐ退職してしまう、など問題が多い。自社の持続可能性を高めるには「新卒で確実に入社してもらうこと」が重要だ。
社員の手出しは無用 価格や集客も6人で検討
24年卒の採用活動でも、辞退者が出ることを想定して6人に内定を出した。そのうち3人は営業を、残りの3人は設計、インテリアコーディネーター、工務をそれぞれ希望していた。横田さんは6人の希望を見て「これなら実際に家が建てられるのではないか」と直感。通常の内定者研修に代えて24プロジェクトを企画した。
6人は、昨年10月から・・・
この記事は新建ハウジング11月20日号3面(2024年11月20日発行)に掲載しています。
住宅ビジネスに関する情報は「新建ハウジング」で。試読・購読の申し込みはこちら。