国土交通省の令和6年能登半島地震における建築物構造被害の原因分析を行う委員会(委員長=中埜良昭・東京大学生産技術研究所教授)は11月1日、中間とりまとめを公表した。倒壊・崩壊率は、木造建築物全体では14.5%に。しかし同じ木造でも2000年以降の建築物では0.7%(4棟)で、同委員会は、現行の耐震基準が「今回の地震に対する倒壊・崩壊の防止に有効だった」との見解を示した。
同委員会は、国土総合技術研究所と建築研究所が今年2月に合同で設置。木造建築物の被害については、日本建築学会が石川県輪島市、珠洲市、穴水町で実施した悉皆調査の結果を、航空写真や建築確認台帳、図面や構造計算を用いて分析した。
建築年代別の被害状況を見ると、1981年以前(旧耐震基準)の3408棟のうち倒壊・崩壊は19.4%(662棟)。大破が19.8%(676棟)、軽微・小破・中破が48.2%(1644棟)と9割近くが被害を受け、無被害は12.5%(426棟)のみだった。
81年の新耐震基準導入から2000年までの893棟では、倒壊・崩壊した割合が5.4%(48棟)まで減少。しかし大破11.5%(103棟)、軽微・小破・中破56.6%(505棟)に対し無被害は26.5%(237棟)と、被害を受けた割合は7割を超えている。一方・・・
この記事は新建ハウジング11月20日号1面(2024年11月20日発行)に掲載しています。
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