Vol.4では、FTK(キッチンアプライアンス)メーカーのスタンドをご紹介します。
キッチン家具とビルトイン機器(レイアウト図の網掛け部)双方のメーカーが混在するという新たな形を打ち出した今年のホールプラン。省エネやサスティナビリティへの追求、スマートホームとキッチン家電のかたちなど新しい動きも加速しています。
出展各社の中から、存在感を放ったキッチン関連機器のスタンドをピックアップしてお伝えします。
ここで紹介するメーカー10社
※メーカー名をクリックすると当該メーカーにジャンプします
①Elica -エリカ- / ②Miele -ミーレ- / ③Bora -ボラ- / ④LG Electronics -LGエレクトロニクス- / ⑤Signature Kitchen Suite -シグネチャーキッチンスイート- / ⑥Barazza -バラッツァ- / ⑦Bertazzoni -ベルタゾーニ- / ⑧Bosch -ボッシュ- / ⑨Asko -アスコ- / ⑩Smeg -スメッグ-
①Elica -エリカ-
換気扇のトップメーカー、エリカはNikolaTesla One(2016年発表)を筆頭に、これまでの抽出コンロのコレクションを展示しました。
②Miele -ミーレ-
Mieleは125周年、1000㎡の会場を3つのエリアに分けて同社の新商品やエコの取り組みなどを披露しました。コンセプトは”The Pulse of Every Kitchen(あらゆるキッチンの鼓動)”。キッチンの未来に向けて、2018年に発信されていたIoTによる先端技術を更に前進させた製品展開となっています。
③Bora -ボラ-
2007年に創業。これまでミラノやケルンでのキッチン関連見本市でイノベイティブな製品はもとより、独特のスタンドデザインでも話題を提供してきたボラ。今年も多くの来場者で大混雑でした。
④LG Electronics -LGエレクトロニクス-
FTK展示メーカーの中にあってアジア勢の勢いを感じさせたLG。エコやサスティナビリティはもとより、インテリアとの調和やエンターテインメント性を意識したこれからのホームアプライアンスの形を提案しました。
⑤Signature Kitchen Suite -シグネチャーキッチンスイート-
LGグループの上位ブランド「Signature Kitchen Suite」。石の塊のアイランドキッチンをドーンと据えたスタンド。AI搭載WifiでコントロールできるフリーゾーンIHコンロ、アンダーカウンターに冷蔵庫と食器洗浄機をビルトイン。
⑥Barazza -バラッツァ-
ステンレス製品の加工業としてスタート、現在ではステンレス加工技術を生かしてシンクやアクセサライズドチャンネル、ビルトイン機器まで手掛けている。イタリアデザインの美しさをアプライアンスの世界で存分に発揮しているメーカー。
⑦Bertazzoni -ベルタゾーニ-
薪式コンロからスタートした130年の歴史を刻むイタリアの伝統的なファミリー企業、ベルタゾーニ。クラシックな外観に最新の機能を搭載したヘリテージシリーズとIF Design Awardを受賞した 自立型コンロプロフェッショナルシリーズを並列して展示、伝統と革新の双方をアピールしていました。
⑧Bosch -ボッシュ-
自動車機器のサプライヤー、製造業として世界最大級のグローバルカンパニー。1886年に起業、1933年に生活家電の分野に参入した。食器洗浄機の販売ではヨーロッパでの売り上げNO1となっています。ジーメンズ・NEFF・ガゲナウはボッシュグループ。
⑨Asko -アスコ-
日本市場でも知名度が高いスエーデンの家電メーカーAsko。
スタンドではシェフによる実機を使ってのおもてなしも・・
⑩Smeg -スメッグ-
POPで遊び心満点のSMEGは1948年創業、カラフルなデザイン家電で若者に人気。今年もフィアットのボンネット内には冷蔵庫がビルトインされていました。
これからのキッチンモジュール
FTK展示の中でもいくつかのメーカーが75cmモジュールの製品を発表しています。キッチン全体が大型化している流れの中で75㎝対応のキャビネットを使ったメーカーも散見され、今後が気になるところです(写真下)。
LGエレクトロニクスxMoooi《新たなボーダレス》
Vol.4の最後に、もう一つの話題を。
期間中のミラノ・ポルタベネッチア地区”Salone Del Tessuti”会場でのMoooiの展示をご紹介します。
本会場で話題の家電を展示していたLGが、オランダのインテリアメーカーmoooi(モーイ)とコラボ。家具と家電製品が生活空間の中でボーダレスにつながっていく新しい感覚を映し出して見せていました。
Vol.4では、Hall2&4の会場からアプライアンスのメーカースタンドをご紹介しました。
2002年に第一回のFTKが開催されて以来、Euro Cucinaのパラレルイベントとして隣接ではありますが、区分けされた会場で展示されてきたFTK。今年初めて、Euro Cucina とFTKがボーダレスに混在するホールレイアウトとなり、大きな話題を集めました。
キッチンにビルトインされている機器の詳細やバリエーションをすぐ隣のスタンドで確かめながら会場を巡るという新しい体験が可能な新鮮なレイアウトでした。
次回2026年にこの形が定着していくのか、あるいはもっと違った試みが出現するのか・・・。今年の出展各社や来場者の動向を踏まえて主催者の分析を待つことになります。
それでは、次号はいよいよ最終回。
本会場からはこれまでお伝え出来なかったメーカーのキッチンデザインをピックアップします。更に、市内キッチンSRの見逃せない展示や企画展をご紹介します。変貌するミラノの再開発地区の様子も都市開発の新たな姿として是非お届けしたいと思っています。
Vol.5もお見逃しなく。
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