東急電鉄(東京都渋谷区)と東急軌道工業(神奈川県川崎市)が従業員の業務環境向上と環境への配慮・負荷低減をコンセプトに設計した、東急軌道工業 梶が谷事業所がこのほど完成した。11月1日から供用を開始している。木造2階建て、敷地面積521.07㎡、延床面積435.74㎡。
OMソーラーの全館空調設備「パッシブエアコン」や、太陽光発電パネルを導入した。また、パナソニックが独自に開発した耐震工法「テクノストラクチャー工法」を採用し、柱が少なく、コミュニケーションが取りやすい室内空間を創出した。建築資材の一部には、新聞紙をリサイクルしたデコスの断熱材「デコスファイバー」や、卵の殻を再利用した日本エムテクスの機能性壁紙「エッグウォール」など、アップサイクル材を採用。デニム端材を再利用した左官材「NURU DENIM」(日本エムテクス)で作業着の紺色を表現したほか、線路の軌道砕石などをオブジェのように配置して東急軌道工業らしさをデザインに取り込んだ。建物の構造体は木造とすることで、居住空間へのリラックス効果や温度調整効果、消臭抗菌効果などが期待できるとともに、脱炭素やCO2固定化に貢献するとしている。
今回の新築工事では、東急電鉄として初めて川崎市の脱炭素先行地域で「川崎市地域脱炭素移行・再エネ推進補助金」を活用。同補助金は、2030年度の民生部門(家庭部門及び業務その他部門)の電力消費に伴うCO2排出実質ゼロ達成に向けて取り組む事業者に、施設の整備等にかかる費用の一部を補助し、川崎市と地球温暖化対策を推進することを目的としている。
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