東京カンテイ(東京都品川区)は10月31日、2023年新築マンション価格の「年収倍率」が、全国平均で前年の9.66倍から10.09倍に拡大したと発表した。全国平均は7年連続拡大しており、集計開始以来初の10倍超えとなった。年収倍率が最も高かったのは東京都の17.78倍。次点は軽井沢の高額物件の影響で大きく拡大した長野県の15.88倍だった。
新築マンションの「年収倍率」は、マンション価格(70㎡換算)を平均年収で除し、新築価格が年収の何倍に相当するかを算出したもの。年収倍率が拡大した地域は37→27に減少、地方圏では9倍台・10倍台のエリア数が19→16に減少した。地方圏は地元居住者以外をターゲットにした物件が増えており、中国・四国地方を除いて9倍台・10倍台が常態化しつつある。
首都圏(埼玉、千葉、東京、神奈川の1都3県)では、新築価格の上昇率が平均年収を上回り、年収倍率が前年から0.60拡大し13.07倍となった。東京都・神奈川県は過去18年間で最高値を更新。東京都は、高額物件の影響で価格が1億円台に達している。
近畿圏(滋賀、京都、大阪、兵庫、奈良、和歌山の2府4県)も、首都圏と同じく年収倍率が0.39拡大して11.32倍となった。滋賀県は横ばい、大阪府・奈良県は縮小したが、全体的に年収倍率が高水準なことから、全府県が10倍台となる可能性も高まりつつある。
中部圏(岐阜、静岡、愛知、三重の4県)では、新築価格よりも平均年収の上昇率が上回ったため、年収倍率は0.04縮小して9.27倍となった。愛知県は2年ぶりに拡大し、過去18年間で最高値を更新。岐阜県と三重県は8倍台が続く。
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