東京カンテイ(東京都品川区)は11月1日、全国のマンション市場における新築供給戸数および中古流通戸数の2024年第3四半期(7月~9月)調査レポートを発表した。新築供給戸数と中古流通戸数をあわせたマンション市場総戸数は、前年同期比0.4%増の12万7934戸と、前年同期の水準を辛うじて上回った。新築・中古マンション市場規模は、前年同期比0.2%減の約4兆9527億円と14期ぶりにマイナスとなった。
新築供給戸数は、前年同期比15.4%減の1万4425戸と8期連続でマイナスとなり、減少率は2桁まで拡大。四半期ベースでは、コロナ禍の販売自粛期を除いて最低水準となったほか、全圏域でマイナスかつ減少率が拡大した。首都圏が4期連続のマイナスで17期ぶりに7000戸を下回ったほか、近畿圏やその他(=地方圏)も下落率が2桁となるなど、価格高騰に伴う供給調整の動きが全国的に強まっている。
新築マンションの市場規模は、13.0%減の約1兆56億円と3期連続マイナスとなったが、1兆円の大台は維持している。圏域別では、首都圏が3期連続で2桁減となり、年初から四半期ベースで6000億円を下回っている。一方、中部圏は3期連続プラスで、2022年の第3四半期以来の高水準となった。近畿圏や地方圏は、3期ぶりに異なる動きをみせている。
中古流通戸数は連続プラスも首都圏のみマイナス
中古流通戸数は、2.9%増の11万3509戸と11期連続プラスとなるも、首都圏が11期ぶりにマイナスとなったことが影響し、増加率は急激に縮小しつつある。なお、流通戸数の減少傾向は、先高感が強まり需給がひっ迫してきた東京都(特に23区)に限定される。
中古マンション市場規模は、3.7%増の約3兆9470億円と12期連続プラス。四半期ベースでは3期ぶりに4兆円を割り込んだが、高水準での推移が続いている。いずれの圏域もプラスだが、流通戸数の動きを反映して拡大傾向は軒並み鈍化。首都圏以外でも2桁増は見られなくなった。首都圏・近畿圏は新築の供給調整によって築浅物件を中心に在庫数が減少しつつあり、市場規模自体は伸び悩んでいる。
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