YKK AP(東京都千代田区)は11月5日、Hacobu(東京都港区)が提供するトラック予約受付サービス「MOVO Berth(ムーボ・バース)」を全国の製造・物流30拠点全てに導入したと発表した。同サービスで取得したデータを活用し、さらなる物流の効率化を目指す。
「MOVO Berth」導入により、トラックドライバーの大きな負担となっていた長時間の荷待ち・荷役時間が削減可能となる。先行導入した東北製造所では、1台あたりの平均荷待ち時間(出荷のみ)を43%短縮。手作業で行っていた荷待ち・荷役時間の管理業務では、データ化したことで月間43.4時間の業務削減を実現した。業務時間(月間160時間)/人の27.1%を削減したことになるという。
物流領域では、人手不足や長時間労働などの課題に加え、トラックドライバーの時間外労働の上限規制によって輸送能力が不足する物流の「2024年問題」が顕在化。政府は問題に対応するため、一定規模以上の事業者に物流効率化を義務付けている。同社は、新型輸送パレットの開発や「首都圏DC」の新設など、さまざまな物流改革に取り組んできたが、法的要請に応え、さらなる効率化を図るには、データ駆動型の物流改善が不可欠となっている。今回、「MOVO Berth」の導入により物流の効率化をさらに進めるとともに、データを蓄積・分析することで継続的な物流プロセスの最適化を目指す。
今後は、時間帯別の入出荷量分析による人員配置の最適化や、車両滞在時間データを用いた構内レイアウトの改善など、データ駆動型の物流改善を加速させる。また、Hacobuが8月に立ち上げた「物流ビッグデータラボ」に参画。物流ビッグデータを企業間で共有・分析することで、異業種間での共同輸配送の検討を進めるとしている。
■関連記事
24年問題、地方物流に試練 コスト増、対応に遅れも
技能者不足・品質確保に対応 エクステリア施工技術研修所を開設
住宅ビジネスに関する情報は「新建ハウジング」で。試読・購読の申し込みはこちら。