国土交通省は11月1日、能登半島地震による建物の被害状況に関する中間報告書を公表した。1981年以前の旧耐震基準で造られた木造建築物は19.4%が倒壊。一方、81年の新基準で2000年までに造られた建物の倒壊は5.4%にとどまった。
国は2000年にも耐震基準を見直しており、それ以降の倒壊は0.7%とさらに縮小。報告書は「現行規定は倒壊防止に有効だと認められる。(国として)旧耐震基準の建築物について、耐震化の一層の促進を図る」としている。
調査は、石川県輪島、珠洲両市と穴水町で被害が大きい地区内にあった全4909棟の木造建築物を対象に行った。
調査によると、81年以前の建物は3408棟で、このうち39.3%が倒壊か大破の被害を受け、被害を受けなかった12.5%を大きく上回った。被害がなかった割合は81~00年の建物では26.5%、00年の見直し後は65.5%に高まった。
報告書は、耐震基準に地域差を設ける「地震地域係数」にも言及。地域係数は、過去の地震の発生状況などに応じて0.7~1.0で設定され、能登の被災地は0.9だった。地域係数の低さが原因で倒壊した建物はなかったが、係数の在り方について検討の必要性も指摘した。
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