積水化学工業(大阪市)が10月31日発表した2025年3月期第2四半期決算(4~9月)は米国での建築・消費財需要などもあり、売上高は前年同期比2.9%増の6290億5400万円に。営業利益は収益性強化策が奏功し、同18.4%増の487億2300万円となった。経常利益は同6.6%減の481億4200万円、四半期純利益は為替差損により同3.4%減の429億2500万円にとどまった。
住宅カンパニーの売上高は2536億円(前年同期比4.2%減)、営業利益は145億円(同12.3%増)。2Q期間の3カ月でリフォーム事業・不動産事業の売上高は伸長したが、新築住宅事業の受注棟数減の影響を受け、トータルでは減収となった。利益面では、固定費削減とストック事業の拡大、棟単価の上昇や新築住宅事業の収益性強化策(成長領域への人材シフトなど)の効果により増益を確保した。
戸建ての受注棟数は、請負が前年比2%増、建売りが同14%減。受注金額は7%増。集合住宅の受注棟数は横ばい、金額は8%増。エリア別で差はあるものの、ほぼ計画通りとなった。
「収益強化策で増益目指す」加藤社長
加藤敬太社長は説明動画の中で、「国内住宅市況は低調だったが、収益性強化策を着実に進めた住宅カンパニーをはじめ、全セグメントで増益となった。国内住宅市況は依然停滞が見込まれるが、非住宅市況やグローバル市況では緩やかな回復が予想される。引き続き、住宅事業における収益性強化策により増収増益を目指す」と述べた。
通期業績は、売上高が1兆3087億円(前期比4.2%増)、営業利益が1050億円(前期比11.2%増)、経常利益が1025億円(同3.2%減)、純利益は780億円(同0.1%増)となる見込み。住宅事業ではエリア別の商品戦略を強化。都市部では高価格帯モデルや集合住宅、ローカルエリアでは企画型商品、平屋・積雪、集合住宅の拡販に努める。
■関連記事
積水化学、北海道のリフォーム事業強化 クレアストの全株式取得
積水化学、半屋外空間を備えた鉄骨2階建て レジリエンスを強化
住宅ビジネスに関する情報は「新建ハウジング」で。試読・購読の申し込みはこちら。