国土交通省と経済産業省は10月25日に合同会議を開き、住宅トップランナー制度における太陽光発電設備の設置目標について議論した。2027年度を目標年度として「太陽光発電の設置が合理的な住宅」における設置率の目標を、建売戸建て住宅で37.5%、注文戸建て住宅は87.5%と設定した。今後、年内にパブリックコメントを実施し、2025年4月の公布・施行を予定する。
同制度は、年間の供給戸数が一定以上の住宅事業者に対し、省エネ基準を上回るトップランナー基準設定し、達成する努力義務を課すもの。21年10月に閣議決定したエネルギー基本計
画を受け、今年6月には外皮性能および一次エネルギー消費量性能(BEI)基準の見直しについて審議。強化外皮基準への適合や、BEI0.75(注文戸建て住宅)~0.8(建売戸建て住宅、賃貸アパート)を目標に設定すると同時に、太陽光発電の設置率についても目標値を設定する方針を掲げた。
国は30年までに、新築戸建て住宅における太陽光発電搭載率を6割にする目標を掲げているが、22年度時点では3割程度にとどまっている。また住宅トップランナー事業者に限っても、注文戸建て住宅こそ58.4%に達しているものの建売戸建て住宅では8.0%だった。
多雪地や都市部を勘案して数値を設定
今回は、27年度に建売戸建て住宅全体では30%、注文戸建て住宅全体では70%に引き上げることを目指す。一方、地域性や敷地条件への配慮を求める声も挙がっているため、多雪地域や都市部狭小地などに位置する「太陽光発電の設置が合理的でない住宅」を供給戸数の20%とし、それらを除いた戸数を母数として目標値を設定する。
現時点では、30年度にトップランナー事業者が供給する住宅のうち、建売戸建ては60%、注文戸建て住宅は80%まで上昇すると想定。トップランナー事業者以外の設置率を50%まで引き上げることで、新築戸建て全体の設置率60%を達成できると試算している[図]。
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