NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション(NTTコム オンライン、東京都品川区)はこのほど、18歳~74歳の男女2692人を対象に実施した「住まいの選択に関する調査」の結果を発表した。住まいを選択する際に「重視する・やや重視する」項目で、トップになったのは「住宅周辺の治安が良いこと」(88.2%)だった。次いで「日当たりなどの位置が良いこと」(85.1%)、「プライバシーが確保できること」(85.1%)が続く。また、「騒音や大気汚染が少ないエリアであること」(82.5%)、「地震や台風などの災害が起こりにくい建物やエリアであること」(81.3%)なども上位となり、住まいを選ぶ際に「治安・防犯」「居住空間」「防災」を重視する人が多いことがわかった。
4~5年前と比較して住まいの重視点に「大きく変化があった」人は7.8%、「やや変化があった」は25.9%だった。変化したきっかけ・理由で最も割合が高かったのは「地震や台風などの自然災害の増加」(34.8%)で、「経済状況の変化」(28.0%)、「健康状態の変化」(26.0%)が続いた。「自身の就職・転勤・転職」(21.5%)、「新型コロナウイルスの感染拡大」(17.1%)も理由の上位にあげられている。
昨今の自然災害の増加によって重視度が高まっているのは、「災害が起こりにくい建物・エリア」(50.5%)、「住宅周辺の治安の良さ」(13.8%)、「行政サービスが充実している」(13.0%)だった。また、新型コロナの感染拡大で高まったのは、「家族それぞれの専用の部屋がある」(17.7%)、「災害が起こりにくい建物・エリア」(17.2%)、「日当たりなどが良い」(15.8%)となった。
キッチンリフォームで重視するのは?
同調査では、消費者を住まいの選択重視点の特徴をもとに分析し、6つのクラスターに分類。各クラスターは、独身者に多い「快適空間重視層(16.4%)」、都市郊外居住率が高い「子育て環境・コミュニティ重視層(15.5%)」、子育て世帯や郊外・田舎居住者が多い「広さ・景観重視層(15.3%)」、60代以上が多く集合住宅居住率が高い「治安・防犯重視層(15.0%)」、若年層が多く都心・賃貸居住率が高い「コスパ・アクセス重視層(8.8%)」、あまりこだわらず家族との近さなどで住まいを選ぶ「低関心層(29.0%)」となっている。
住まいに関するサービスのニーズを把握するため、各クラスターにキッチンリフォームの際に重視することを聞いたところ、全体で最も高いのは「リフォーム価格の安さ」(38.5%)で、「収納が使いやすくなること」(35.4%)、「信頼できるリフォーム業者に依頼すること」(30.6%)が続いた。
重視する選択個数が多かったのは「子育て環境・コミュニティ重視層」「快適空間重視層」の2つのクラスターで、リフォームにおけるターゲット層となる。「子育て環境・コミュニティ重視層」では「収納が使いやすくなること」「作業導線が良くなること」「作業スペースが広くなること」「安全性を確保すること」などが高い。
一方「快適空間重視層」は、「信頼できるリフォーム業者に依頼すること」「リフォーム後のアフターサポートがしっかりしていること」「耐久性の高い素材を使用すること」「最新の設備を導入すること」などが高く、クラスターごとに違いがみられた。同社は、各層に求められるサービスを提供することが重要だとしている。
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