YKK AP(東京都千代田区)は10月29日、YKK AP黒部製造所(富山県黒部市)内にて建設を進めてきた「YKK AP30ビル」が竣工したと発表した。地上3階て、延床面積6932㎡。投資金額は約58億円。
「個・組織・社会をつなぎ、経験と感動を共有する」をコンセプトに、自然環境と社員の健康に配慮した「杜(もり)の中のオフィス」として建設。製造部門と本社機能の社員が勤務することで、部門間・東京本社との連携強化を図る。
建物全体の省エネ設計に加え、黒部の自然エネルギーである風や光を活用したパッシブデザイン、敷地内の太陽光発電による創エネなどで、年間の一次エネルギー消費量が実質ゼロまたはマイナスとなる「ZEB」を実現。WELL認証でもPLATINUMの取得を進めている。建物外壁のカーテンウォールには100%アルミリサイクル材を使用し、カーボンニュートラルと循環経済の実現に向けた取り組みを推進する。
安全・安心・快適で働きがいのある拠点として、自律した働き方ができる環境を整備。施設全体をオープンオフィス化し、仕事の内容に合わせて働く場所を選択する「ABW」、心身のコンディションや個々人の感覚で働く環境を選択する「EBW」の考えのもと、心理的・体験的に社員がつながるワークプレイスとして設計。集中できる個室ブースやリラックスできるテラスなど、業務や自身の状況に応じて働くスペースを選ぶことができる。
また、風・光・水などの環境を有効活用して自然エネルギーを適切に享受できる空間を構成。どの風向きでも⾃然通⾵・換気ができるように植栽を配置した「風環境」や、方位ごとの太陽特性に適した日射の遮蔽対策を施した「光環境」、空調や屋外に設置した水盤の気化熱を利用して冷涼な風を室内に取り込む「水環境」で、快適性・省エネ性を両立している。
同社の歴史と概念を紹介するフィロソフィーホールも設置し、従業員や取引先にYKK APブランドの発信する拠点として活用する。
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