東京・明治神宮外苑の再開発事業を巡り、事業者の三井不動産などは10月28日、工事に伴う樹木の伐採を始めた。老朽化している神宮球場や秩父宮ラグビー場を建て替え、複合ビルなどを建設する計画で、2036年に全体の整備を完了させる予定。
三井不動産は9月、環境悪化を懸念する住民らの反対を受け、当初の計画より伐採本数を減らすなどした変更届を東京都に提出した。都は10月21日の環境影響評価審議会で変更受理を報告。これを受け、同社は10月中に樹木の伐採や移植を始める方針を示していた。
新たな計画では、伐採本数を743本から619本に減らし、新球場と神宮外苑のシンボルとなっているイチョウ並木との間隔を広げ、生育環境を確保する。
再開発事業に対し、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の諮問機関である国際記念物遺跡会議(イコモス)国内委員会が「科学的な調査が不十分」と批判し、さらなる見直しを求めている。
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