内閣府がこのほど公表した「水循環に関する世論調査」によると、全体の39.1%が「特に措置を講じずに水道水をそのまま飲んでいる」と回答。前回調査(2020年)の43.9%から4.8ポイント減少した。次いで「ミネラルウォーターなどを購入して飲んでいる」(36.1%)、「浄水器を設置して水道水を飲んでいる」(34.3%)の順となっており、それぞれ前回調査から回答割合が増えている。
同調査は、水循環に関する国民の意識を把握するため、日本国籍を有する全国の18歳以上・3000人を対象に実施したもの。調査期間は7月18日~8月25日。
国民が考える「水とのかかわりのある豊かな暮らし」のイメージ(※複数回答)では、「安心して水が飲める暮らし」(86.9%)、「いつでも水が豊富に使える暮らし」(50.8%)、「洪水の心配のない安全な暮らし」(48.6%)などが上位となった。「おいしい水が飲める暮らし」との回答割合も43.0%となり、多くの人が安全でおいしい水のある生活を求めていることがわかる。
現在使用している水道水の質については、58.3%が「全ての用途において満足している」、38.2%が「飲み水以外の用途において満足している」と回答。飲み水に満足していない人が約4割に達している。
洪水・土砂災害に不安
また、気候変動の影響による水問題で心配事があるかを尋ねたところ(※複数回答)、「気候の不安定化による洪水や土砂災害の頻発」(84.3%)、「降水量の変化や水温の上昇による自然環境や生態系への影響」(67.0%)、「渇水の増大による水不足および海外での食料生産の不安定化」(56.3%)などの回答が上位に。
行政に求めること(※複数回答)では、「洪水・土砂災害防止施設の整備」(71.3%)、「老朽化や災害による被害を受けた上下水道の整備」(70.7%)、「水質汚濁防止のための下水道などの整備」(46.3%)、「雨水利用や水の再利用の促進」(42.6%)との回答が多かった。
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