厚生労働省が10月25日公表した2021年3月新卒就職者の離職状況結果によると、就職後3年以内の離職率は、高卒が38.4%で前年度比1.4 ポイントの上昇、短大等卒が44.6%で同2ポイント上昇、大学卒が34.9%で同2.6 ポイント上昇した。事業所規模別では1000人以上が28.2%、5人未満が59.1%、5~29人が52.7%と、規模が小さいほど高かった。
建設業の離職率は35.6%で、高卒が43.2%(同0.8ポイント上昇)、短大卒が41.5%(同0.1ポイント低下)、大卒が30.7%(同0.6ポイント上昇)。高卒・短大等卒は全産業平均よりも高いが、大卒は平均を4.2ポイント下回っている。産業別で最も離職率が高かったのは「宿泊・飲食サービス業」の56.6%。次いで「生活関連サービス・娯楽業」(53.7%)、「教育・学習支援業」(46.6%)などとなっている。
離職率は全学歴で低下傾向
建設業の離職状況を詳しく見ると、2021年3月の高卒就職者(※24年6月集計)は1万5222人で、3年以内に離職した者は6574人。このうち1年目で離職したのは2913人、2年目は2149人、3年目は1512人だった。短大等卒就職者は1万936人で、3年以内に離職した者は3831人。このうち1年目で離職したのは1572人、2年目は1170人、3年目は1089人。大卒就職者は2万2531人で、3年以内に離職した者は6911人。1年目で離職したのは2546人、2年目は2426人、3年目は1939人だった。
2003年卒の3年以内の離職率は、高卒が57.4%(就職者1万2236人中7024人)、短大等卒が50.3%(同4441人中2233人)、大卒が37.9%(同1万3161人中4993人)だったことから、どの学歴も離職率が低下(高卒14.2ポイント、短大等卒8.8ポイント、大卒7.2ポイント)傾向にあると言える。
同省は、新卒応援ハローワークなどを活用し、引き続き新規学卒就職者に対する職場定着支援や離職者に対する就職支援を行う考えを示している。
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