不動産経済研究所(東京都新宿区)は10月21日、2024年度上半期(4~9月)の首都圏新築分譲マンションの市場動向を発表した。
首都圏(東京、神奈川、埼玉、千葉)1都3県の発売戸数は、前年同期比29.7%減の8238戸で、3期連続減少。コロナ禍で着工数が減少した2020年度上期(8851戸)を下回り、過去最少となった。東京23区が42.9%減、都下が24.8%減、埼玉県が29.8%減、千葉県が29.4%減と2ケタ減少し、プラスとなったのは神奈川県(4.2%増)のみだった。
戸当り平均価格は7953万円で前年同期比117万円(1.5%)増、1㎡当たり単価は120.9万円で同2.0万円(1.7%)増と、いずれも2年連続で上昇。都心の高額住戸の人気、施工費や用地費の高騰などから、価格・㎡単価ともに2年連続で最高値を更新した。エリア別では、東京23区が1億1051万円(4.5%増)、都下が5971万円(8.8%増)、神奈川県が6391万円(10.7%増)、埼玉県が5275万円(6.4%増)、千葉県が5595万円(17.3%増)と全エリアで上昇した。
初月契約率は64.3%(前年同期比7.1ポイント減)で、2年ぶりの70%割れとなった。大型の新規供給が活発だった千葉県(72.2%)を除き、東京23区61.7%、東京都下51.3%、神奈川県69.2%、埼玉県60.2%と軒並み7割を下回った。
定期借地権付きマンションの供給は140戸で、平均価格は8612万円(前年同期比20.8%減)、㎡単価は125.0万円(同19.9%減)だった。
同日発表した9月の市場動向は、発売戸数が前年同月比13.7%減の1830戸と6カ月連続で減少。23区などの落ち込みが影響した。平均価格は7739万円(同15.0%増)、㎡単価は114.8万円(同12.8%増)と、いずれも2カ月連続の二ケタ増となった。初月契約率は同2.2ポイント減の65.5%と、2カ月連続60%台だった。9月末時点の販売在庫数は5025戸(前年末比85戸減少)で圧縮傾向にある。
住宅ビジネスに関する情報は「新建ハウジング」で。試読・購読の申し込みはこちら。