構造塾は10月18日、神奈川県横浜市で会員向けの交流イベント「構造塾カンファレンス2024」を開催した。イベントでは塾長の佐藤実さん(M’s構造設計社長)による能登半島地震の被災地調査の結果報告や、同塾が東京大学前真之研究室と合同で行っている「環境塾」の活動紹介などが行われた。
石川県輪島市では2007年に、珠洲市では23年に、建築基準法では“数百年に1度”発生するとされる震度6強の地震が発生している。佐藤さんは、これらの地震による損傷が、今年1月の地震で多くの住宅が倒壊した一因だと見る。「震度6~7の地震は、数百年に1度ではない頻度で起きている。耐震等級1は2度の大地震には耐えられない」と、その危険性を指摘した。
一方、新築時に耐震等級3で建てられた住宅や、築55年でもリフォーム時に「業者が勝手に耐震補強していた」住宅は被害を受けなかった。
佐藤さんは「耐震等級3は言われてやるものではない。新築なら“勝手に”等級3にすべき」として、耐震等級3の標準化を急ぐよう促した。
そのほか、来年4月に控えている建築基準法の改正についても解説し、設計の自由度など許容応力度の利点を挙げたうえで、計算の内製化を目指すべきとした。さらにその先の段階として「構造計画ルールに基づく経済設計」に取り組むことを呼びかけた。
※より詳しい内容は、新建ハウジング10月30日号に掲載いたします。
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