矢野経済研究所(東京都中野区)は10月21日、国内の屋根材市場に関する調査結果を発表した。それによると、2023年度の市場規模は、メーカー出荷数量ベースで前年度比4.9%減の8410万3000㎡と推計。新設住宅着工戸数や倉庫等の建設需要が減少したことから市場は縮小、今後、いかにリフォーム需要を取り込むかが課題になるとしている。
多発する自然災害を背景とした復旧需要や、スレート屋根材が改修時期を迎えていることから、屋根材のリフォーム需要自体は高まっている。これまで塗装が一般的だった屋根材リフォームにおいて、既存屋根材の上から新規屋根材を施工するカバー工法の採用が増加しており、改修頻度やコスト、耐久性、意匠性などに対応することで、屋根材メーカーはリフォーム需要の取り込みに努めている。
一方で、2024年度の市場規模は、前年度比2.1%減の8234万㎡と予測。戸建て住宅、非住宅建築物のいずれも減少を見込む。戸建て住宅分野は、メーカー各社がカバー工法でリフォーム需要を創出しているものの、新設住宅着工戸数減少が影響。非住宅分野では、倉庫・工場等の着工床面積の減少傾向に加え、人手不足で建築工事の遅延等が発生していることから、メーカー出荷数量ベースの屋根材市場規模は縮小するとみている。
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