不動産経済研究所(東京都新宿区)が10月21日発表した2024年度上半期(4~9月)の首都圏(東京都、神奈川、埼玉、千葉各県)の新築マンション1戸当たりの平均価格は前年同期比1.5%増の7953万円となり、過去最高を更新した。建築資材価格や人件費の高騰で工事費が膨らみ、販売価格が押し上げられる状況が続いている。
東京23区の平均価格は、4.5%増の1億1051万円となり過去最高を更新。2年連続で1億円台となった。このほか、千葉県(17.3%増)や神奈川県(10.7%増)で前年同期に比べて2ケタの伸びとなるなど全体的に上昇傾向が続いている。
一方、首都圏の発売戸数は29.7%減の8238戸だった。コロナ禍で都内の着工が大きく減少した20年度上半期(8851戸)を下回り、過去最少にとどまった。
特に、着工数の減少が響いた東京23区では、42.9%減の3242戸と低調だった。人手不足を背景に工期の遅れが生じやすくなっており、マンションの完成時期が見通しづらい状況だという。
不動産経済研究所の担当者は「依然として都内物件を中心に購入意欲は強い」との見方を示しつつも、「郊外型物件では、価格上昇で苦戦するケースも出てきている」と指摘。供給側が高値警戒感から販売戸数を抑制する中、価格面は上昇基調が続く見通しだ。
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