フリーランスで仕事をする人を保護する新法の11月の施行を前に、公正取引委員会と厚生労働省は18日、契約実態に関する調査結果を公表した。新法で義務化される契約内容の明示について、委託業務別で、建設業のほか、俳優、データ入力、清掃などのサービス業が他の業種に比べて不十分とみられることが判明。公取委などは問題事例が多い業種について、年度内に集中調査を行う。
5~6月にオンラインで調査。業務委託主1090人とフリーランス782人の回答を集計した。
取引条件が明示されなかった経験があるフリーランスは44.6%に上り、委託業務別では建設業が7割超を占めた。十分協議せず報酬が決められる「買いたたき」は67.1%が遭っていた。
委託主とフリーランスの認識の差も明らかになった。物価上昇分などが価格転嫁されなかったと回答したフリーランスが62.5%だったのに対し、委託主は35.4%にとどまった。
調査に対し、フリーランスからは「(取引条件の)多くは口約束。メールなどの文字で証拠を残すことを嫌がる傾向がある」(映像制作・編集)、「『勉強だから』とギャラ不払いが何度もあった」(俳優)などの訴えがあった。
新法では、問題行為が確認された場合、公取委は指導や勧告を行い、事業者名や違反内容を公表する。是正命令に違反した委託主には50万円以下の罰金を科す。
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