デコス(山口県下関市)はこのほど、能登半島地震の木造応急仮設住宅「熊本モデル」の断熱工事を、9月16日に完了したと発表した。同住宅には新聞紙を主原料としたセルロースファイバー断熱材「デコスファイバー」が採用されており、同社および同社販売施工代理店22社が断熱工事を担当した。通常の断熱材は木工事を手掛ける職人が施工するが、全国に施工代理店のネットワークを持つ同社が施工までを手掛けることで、現地の職人不足解消と工事のスピードアップにつながったという。
「熊本モデル」は、2016年の熊本地震の際に採用された木造応急仮設住宅。現在、輪島市・珠洲市で建設中で、今後、全8団地・9現場で623戸が竣工予定。木造仮設住宅へのデコスファイバーの採用は、熊本地震(563戸)、熊本豪雨災害(612戸)に続き3度目で、累計1798戸となる。
能登半島地震の被災地では、プレハブ型など迅速かつ大量に建設可能な仮設住宅のほか、長期使用を見据えた、高い居住性と恒久的な利活用を目指した木造応急仮設住宅「熊本モデル」を建設している。同モデルは2年間仮設住宅として利用後、市町営住宅などへの転用を想定している。結露や厳しい寒さから入居者の体調に影響を与えた東日本大震災の仮設住宅の教訓から、断熱・防音などの居住性能を重視しており、熊本地震の場合、昨年1月の時点で約8割が市営住宅などに利活用されている。
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