一級建築士事務所・VIT(東京都練馬区)代表の黒澤亮さんは、自身の設計による自宅兼同社事務所「素敬(そけい)の家」が東京都練馬区内に完成したことから9月14日~17日の4日間、内覧会を行った。無垢の木材など自然素材をふんだんに用いて建てた断熱等級7、耐震等級3の超高性能住宅で、第三種換気とエアコンの組み合わせによる独自の全館空調の仕組みを構築。期間中は一般の人たちのほかに、工務店や設計事務所など多数の業界関係者が訪れた。【編集部 関卓実】
住宅街の一画(敷地面積106㎡)に木造3階建て(在来工法)・延べ床面積124㎡を新築。1階がスタッフ4人の同社のオフィス、2・3階が黒澤さんと妻、子どもの家族3人が暮らす住居となっている。
温熱や静粛性など良質な環境の実現を目指し、UA値0.24W/㎡K・C値0.1㎠/㎡の超・高断熱高気密とした。壁は、セルロースファイバー120㎜厚を柱間に充填し、ロックウール100㎜厚を用いた湿式外断熱システム「アルセコ」によって付加断熱。屋根は、セルロースファイバー305㎜厚を吹き込んだ上に、ミラフォームラムダ100㎜厚を張った。
基礎の断熱は立ち上がりの外側にパフォームガード100㎜厚、スラブ下にスタイロエース50㎜厚を敷設。また、「実験住宅」にも位置づけ、表面温度の違いを測定するために、事務所の足元部分に限って基礎立ち上がりの内側にもネオマフォーム40㎜厚を付加したという。
窓はAPW430のほかに、デザイン性と断熱性の向上や日射取得を考慮して、住居部のLDKや吹き抜けの5カ所に高性能木製サッシ・佐藤の窓を採用。建設地は準防火地域で、防火設備の認証を取得した佐藤の窓(ドレーキップ)が初めて使われた物件となった。玄関ドアはガデリウスの高断熱木製ドア。太陽光発電設備4.85kWを搭載し、おひさまエコキュートによって給湯する。
三種換気活用し全館空調 調湿性・遮音性・蓄熱性を考慮
黒澤さんは今回、凰建設(岐阜県岐阜市)代表で一般社団法人ミライの住宅の代表理事でもある森亨介さんが講師を務める空調設計講座を受講して得たノウハウをもとに、第三種換気とエアコンの組み合わせによる独自の全館空調方式をプランニングした。冷房は・・・
この記事は新建ハウジング10月20日号5面(2024年10月20日発行)に掲載しています。
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