耐水害住宅研究会(代表:高口洋人・早稲田大学創造理工学部教授)は9月20日、木造住宅向けに開発してきた普及型耐水害住宅仕様の性能を評価する公開実験を実施した。当日は、同研究会に参加する高砂建設(埼玉県蕨市)本社の敷地内にある試験体に深さ1mまで注水したが、1時間程度経過しても漏水は見当たらなかった。また、戸建て1棟で同じ条件で2日間経過しても漏水量は10.36ℓほどに留まるという。同研究会では、普及を図るため“既存技術の組み合わせでできる耐水型住宅”を開発趣旨として、改善を続けている。
同研究会は、激甚化する自然災害に備えて洪水リスクの高い地域でも住民が安心して暮らせる住宅の開発を目指し、2020年から普及型の耐水害住宅の技術開発に取り組む。研究会のメンバーは大学・研究機関、設計事務所・工務店・住宅メーカー、建材メーカーなど。
活動初期は、実際に水害が発生した地域での浸水被害調査や建材が浸水した場合の状況調査などを実施。23年12月から24年7月にかけては、住宅の試験体を使った水害性能の実証実験を計5回行った。実験では、試験体の中に水深1mまで注水し、2日間の洪水が起きても屋内が床上浸水しない値を目標値として漏水量を計測する。現時点での、戸建て1棟における浸水量(防水性能)は、1時間0.21ℓ、1日5.2ℓ、2日10.36ℓという結果に。5回目にして目標値を上回らないことを確認できたため、公開実験に踏み切った。
各建材メーカーによる止水の工夫
耐水害住宅の開発では、一般に流通する既存の建材の組み合わせで耐水性能を確保することを重視。参画企業は・・・
この記事は新建ハウジング10月20日号1面(2024年10月20日発行)に掲載しています。
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