東京商工リサーチ(東京都千代田区)は10月8日、2024年度上半期(4-9月)の企業倒産(負債額1000万円以上)が、前年同期比17.8%増の5095件、負債総額は同13.8%減の1兆3754億100万円だったと発表した。
件数は3年連続で前年同期を上回り、2014年度同期(5049件)以来、10年ぶりに5000件台となった。負債総額は1兆円を3年連続で超えたが、負債100億円以上が前年同期の10件から4件に減少し、2年連続で前年同期を下回った。なお、同1000億円以上は1件(前年同期2件)だった。一方、同5億円以上10億円未満は140件(前年同期比8.5%増)、1億円以上5億円未満は1006件(同12.9%増)と中堅規模への広がりをみせた。
集計対象外の負債1000万円未満の倒産は、1-9月累計が415件(同19.5%増)と2年連続で前年同期を上回り、小・零細企業の窮状が目立つ。同1000万円以上は、1-9月累計が7414件(同18.0%増)に達した。現状の増加率で推移すると、年間の倒産件数は2013年以来、11年ぶりに1万件超えの可能性が出てきた。
年末に向けて企業の資金需要が活発になるが、業績回復が遅れた企業だけでなく、資金調達が追いつかず黒字倒産するケースが増えると予想される。「ゼロゼロ融資」利用後の倒産は小康状態にあるものの、息切れ倒産が押し上げながら漸増するとみられる。
産業別では、10産業のうち金融・保険業を除く9産業で前年同期を上回った。職人不足や資材価格高騰の影響を受けた建設業は964件(同13.1%増)で3年連続、不動産業は143件(同0.7%増)と2年連続でそれぞれ前年同期を上回った。
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