経済産業省は10月8日、フィルムのように薄くて軽く、折り曲げられる「ペロブスカイト太陽電池」の実用化を目指す官民協議会を開き、利用者に補助金を支給して普及を促進する戦略案の概要を示した。従来の太陽光パネルより価格が高くなるため、差額を補助して導入を促す。2025年度から支援を始める方針で、詳細は今後詰める。
ペロブスカイト電池は、従来は難しかったビルの壁面などにも設置でき、再生可能エネルギー導入拡大の切り札とされる。民間企業にも開発の動きが広がっており、積水化学工業が25年の事業化を表明している。
補助金は公共施設の屋根など、1カ所当たりの設置面積が大きい場所を対象とする。量産化と低価格化を促すことで、さらなる導入につなげる好循環を目指す。
戦略案にはこのほか、ヨウ素など原材料の生産体制確立や、海外展開を進めるため国際標準の策定を後押しすることも盛り込んだ。
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