LIXILは、日本サッシ協会、樹脂サッシ工業会、塩ビ工業・環境協会の3団体が公表した「樹脂窓リサイクルビジョン」の趣旨に賛同し、リサイクルを考慮した製品を開発すると同時に、廃棄せずに再利用するために、資源循環に配慮した仕組みを推進している。2024年3月期には樹脂窓の生産工場である北海道の栗沢工場(北海道岩見沢市)で、端材の再生利用率100%を達成。製造工程で発生する樹脂スクラップのリサイクル原料を樹脂窓に再利用し、資源循環型社会の実現に貢献している。
樹脂窓リサイクルビジョンでは、1980年ごろから北海道で広く普及してきた樹脂窓の大部分が、廃棄後、埋め立て処分されていることを問題視。窓の品質性能だけでなく、環境や社会にも貢献する多様な性能が求められていく中、使用済み樹脂窓の再利用を喫緊に解決すべき重要な課題として挙げている。樹脂窓リサイクル検討委員会では、樹脂窓リサイクルの意義や仕組みづくり、リサイクル製品の市場導入などを目標に掲げ、委員各社たちと活動してきた。
同社はこうした課題解決に向けて、メーカーとして製品の品質と性能を担保しつつも、資源循環に配慮したリサイクル性の高い製品を開発・提供する。2024年3月期には、栗沢工場で樹脂窓の端材再生利用率100%を達成。製造工場から出る樹脂スクラップをリサイクル原料化し、再度樹脂窓形材として活用している。
製品に戻せない残留物の再利用含めて100%を達成
樹脂サッシの製造拠点である北海道の栗沢工場(北海道LIXIL製作所)では、製造過程でPVC樹脂の押出成形や樹脂形材の定寸切断、部品付け穴などの加工によって端材が発生する。製造過程で出る端材や検査基準外品は、基材(ホワイト)とカラー部分で色別に分離して粉砕、原料化する[写真1]。その他、樹脂の切り粉を原料に戻す技術も開発しリサイクル率を高めた。この時点でリサイクル原料化達成化率は100%近くになるが・・・
この記事は新建ハウジング10月10日号12面(2024年10月10日発行)に掲載しています。
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