松尾和也さん流エコハウス設計メソッドを毎月10日号でお届けする本連載。松尾さんが感じている、工務店の設計に潜む問題とは何か。自社の設計を振り返りながら読んでください。
工務店さんにプランニングの指導をしています。また、指導していなくても工務店さんの図面を見ることがよくあります。その中でここ数年、「非常にまずいな…」と感じる機会が激増しています。
まずいと感じる原因はいろいろあるのですが、まずは構造です。1階と2階の耐力壁線をあわせる意識が全くない、とすら思える図面が増えました。しかもそういう住宅に限って、キャンチレバーも癖になっていることが多いです。このようになった最大の原因は「通し柱」の概念が業界全体からなくなりつつあることに起因しているのかと想像しています。通し柱である必要は別になく、管柱でも問題はありません。ただ、隅の柱は上下通す必要があることは最低限の基本です。
次に、お施主様の要望だけは取り入れているが、言われていないことで重要なことが反映されていない住宅が増えたことが挙げられます。例えばですが、ダイニングテーブルとキッチンは直線配置、ファミリークロークは脱衣室の隣、2wayのシューズクローク、パントリーなど。こういったSNSでホットなキーワードはどの住宅もだいたい取り入れるようになりました。
しかしながら・・・
この記事は新建ハウジング10月10日号6面(2024年10月10日発行)に掲載しています。
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