工藤工務店(千葉県八街市)は9月中旬、地元・千葉県八街市内の住宅街の一画に、同社としては初となる常設型の新モデルハウスを完成させた。デザイン性や性能、建材、周辺環境との調和など全てにこだわったフラッグシップモデルで、自社が考える理想の住まいと暮らしのあり方を提案する拠点だ。このモデルハウスの設計も手がけた社長の工藤一行さんは、シュリンクしていく新築市場も見据えながら、「棟数や経営規模の拡大を目指すのではなく、価値観を共有できる顧客の満足度を限りなく高めながら、自分たちもつくり手として建築の楽しさややりがいを追い求めていきたい」とビジョンを描く。【編集部 関卓実】
新モデルハウスは、同社が標準とするFP工法を採用した木造2階建て・延べ床面積50坪(ビルトインガレージを除くと42坪)で、UA値0.36W/㎡K、耐震等級3(許容応力度計算)。気密性能はC値0.26㎠/㎡で、換気は第一種熱交換型(パナソニック製)を採用している。LDKから2階に上がる階段上の壁掛けエアコンや小屋裏のエアコンにより暖冷房を行うほか、リビングとダイニングの間には、煙や煤が発生せず、カバーなしで直接、炎のゆらぎを眺めることができるバイオエタノール暖炉(エコスマートファイヤー)を設置。屋根には太陽光発電5kWを搭載し、5kWhの蓄電池とV2H(日産リーフ)を備える。
活力・モチベーション生む住まい
工藤さんは新モデルハウスのコンセプトについて、「高い性能やデザイン性、快適で健康かつ省エネで暮らせるといったことは当たり前」としたうえで、「疲れが癒され、心が安らぎリラックスできるといったことを超えて、自宅で“非日常”を感じ、暮らしを楽しみながら、その先に仕事や生活など“明日への活力やモチベーション”がかき立てられるような住まいを形にした」と説明する。
建設地の東側が傾斜していて、視線の“抜け”が良いうえに、緑も豊富な景色が広がっていることから、道路や隣家に面する南側は、あえてビルトインガレージや玄関を配置し、LDKを東に向かって開きつつ、東面に幅3.6m×高さ4.7~5mの巨大なカーテンウォール(4枚のガラスを組み合わせて構成)を設けた。その先には・・・
この記事は新建ハウジング10月10日号2面(2024年10月10日発行)に掲載しています。
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