国土交通省は10月1日、自然災害の再被災防止のために緊急的に実施する「防災・減災対策等強化事業推進費」について、2024年度の第2回配分を発表した。国・地方公共団体が実施する19件の公共事業(河川・道路・砂防・海上交通)に対し、40億円の予算配分を決定している。
配分予算は被災地域での災害対策分として、洪水・浸水対策〔河川〕5件(6億4500万円)、崖崩れ・法面崩壊対策〔道路〕4件(2億5000万円)。事前防災対策分として、洪水・浸水対策〔河川・砂防〕7件(25億7000万円)、侵崖崩れ・法面崩壊対策〔道路〕2件(3億5500万円)などが配分される。
都道府県別では、愛媛県(3件)、北海道・岩手県・福島県・宮城県・神奈川県・静岡県・岐阜県・大阪府・兵庫県・岡山県・島根県・山口県・徳島県・佐賀県・福岡県・鹿児島県(各1件)で実施される。
神奈川県平塚市で築堤護岸工
このうち、6月30日~7月1日の豪雨で浸水被害が生じた山口県山口市の椹(ふし)野川流域では、出水による内水被害を軽減させる必要があることから、緊急的に河道掘削工を実施する。同地域では今回の豪雨により住宅1棟が床上浸水したほか、周辺の工場に影響が出た。事業予算は5000万円。
また、神奈川県平塚市の相模川流域では、今年度に入って関係者との合意形成が得られたことから、洪水による浸水リスクを軽減させるため築堤護岸工を実施する。同地域で予想される浸水面積は109ヘクタールで、想定浸水世帯数は2857世帯。事業予算は2億5000万円。
「防災・減災対策等強化事業推進費」は、大雨による浸水被害が発生した地域で、再度の被災を防止するため緊急的に実施する対策や、災害を未然に防ぐ事前防災対策に使われる予算。用地の確保など事業の実施環境が新たに整った場合などに、年度途中に機動的に予算配分される。
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