国土交通省が9月27日公表した2024年度の「ピュア型CM方式活用実態調査」結果によると、公共事業の建築事業で少なくとも438件、土木事業では216件がCM方式を活用。このうち基本計画・設計などの上流段階からCM方式を活用する事業が、建築事業で約8割、土木事業で約7割に達していることが分かった。
同調査は、日本CM協会、建設コンサルタンツ協会に加盟する企業47社を対象に実施したもので、調査時期は7月。対象業務は2023年度末までに受注した公共事業でのピュア型CM業務654件。
建築事業での活用、学校が最多
建築事業では東京都や大阪府などの都市部で主に活用され、「関東」(46%)と「近畿」(20%)が多数を占めている。発注者の構成は「市区町村」(52%)、「その他の公的機関」(26%)、「都道府県」(9%)、「政令市」(8%)、「国」(5%)。施設用途では、「学校」(21%)、「庁舎など」(20%)、「病院など」(19%)が全体の6割を占めている。
発注者と施設用途の組み合わせで見ると、「都道府県」では病院・体育館・競技場・観覧場での活用が多く、「政令市」では学校・病院、「市区町村」では庁舎・学校・病院の施設用途が多かった。
建築事業の契約金額は、「1000万~3000万円」(95件)、「1000万円未満」(79件)、「5000万~1億円未満」(76件)が多く、小規模事業で積極的に活用されていることが分かる。その一方で、複数年にまたがる事業や事業費50億円以上の大規模事業での活用も近年増加傾向にある。
CM業務をどの段階で活用しているかについては、「基本計画のみ」(81件)、「基本計画から工事施工まで」(67件)、「基本設計から工事施工まで」(47件)、「実施設計から工事施工」(32件)が上位に。このうち基本計画段階からCM方式を活用するケースが約5割を占めている。
CM方式(ピュア型)は、発注者の補助者となるコンストラクションマネージャー(CMR)が、設計の検討や工事発注方式の検討、工程管理、品質管理などの各段階で、技術的中立性を保ちながらマネジメント業務を行う方式。技術系職員が不足している場合や短期的に事業量が増大する場合、工期が限られている場合などに活用することで工事品質が確保され、コストやプロセスなどの透明性が図れるといった特長がある。
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