久保田さんは雨漏り修理の仕事を通して、雨漏りのリスクを考慮していない住宅を数多く見てきた。「ここをこうするだけで水は入らないのに」「こんなことをしていては雨漏りして当たり前だ」…そのような住宅では建て主が辛い思いをしている。家を建てるなら、雨漏りのリスクを低減できる部材や施工法を採用するべきだ。そんな思いを新たにするような事例を紹介する。
建て主に雨漏りで辛い思いをさせない!
止水性の高い部材や施工法を採用しよう
今回、取り上げる雨漏り事例Y邸については、まず建て主の観点から経緯を記していくことにしたい。雨漏りが発生すると、どれほど面倒な思いをするか、ということをリアルに読者の皆さんにお伝えしたいからだ。
信じて対処を待った工務店が雨漏りを残したまま倒産
ことの始まりは、新築から7年ほど経過したある台風の日のこと。リビングの棚上の天井から雨が滴っているのに気がついたのだという。雨漏りが起きた部分には、すでにクロスに黒いシミが現れていた。実は、そこは以前からクロスが浮いてきていて、気になっていた部分でもあった。おそらく表に出てくる前から、水が滞留していたのであろう。
驚いた建て主のYさんは、すぐに新築時の工務店に連絡。すると、工務店の社長が確認に来て、「きちんと原因を探してから修理をしたいので、少し時間をくれないか」とのこと。もっともだと思ったYさんも同意して、様子を見ることになった。
しかし、その後なかなか連絡が来ない。Yさんが再度連絡をしたところ、「もう少しだけ時間をくれないか」という返答だったのだが、その後、1カ月ぐらいしてもう一度電話をすると、今度は電話が不通になっていた。
不安になったYさんが知人に相談して調べてもらうと、なんとその工務店は倒産してしまっていた。途方に暮れたYさんはいろいろ調べるうちに、瑕疵担保保険の存在を知るに至り、瑕疵保険会社へと連絡を入れたという流れだった。
保険会社の調査結果にも疑問 こんな家を建ててはいけない
「雨漏り事故」ということで、その後、保険会社が調査にやってくることになった。保険会社の調査員が・・・
この記事の続きは、『新建ハウジング別冊・月刊アーキテクトビルダー10月号(2024年9月30日発行)『ラク家事デザイン[超]基本テクマスター編』(P.69〜)でご覧ください。
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