住友林業(東京都千代田区)は9月30日、100%子会社のSumitomo Forestry Australia Pty Ltd.(SFAU、ビクトリア州メルボルン)を通じ、オーストラリア最大手の住宅会社、メトリコングループ(メトリコン社)の持分51%を取得し、連結子会社化すると発表した。
これにより、オーストラリアにおける同社グループの戸建て住宅着工戸数は年7000戸以上と全豪1位相当に拡大。長期ビジョンの目標5500戸を6年前倒しで達成した。今後は、既存の事業領域に加え、メトリコン社が展開する市街地の狭小開発や公営住宅、セカンドブランド等の新たな事業領域での規模拡大を通じ、2030年までに当初計画の倍の1万戸体制を目指す。
オーストラリアの人口は、移民政策等により2023年の約2664万人から、2034年には約3090万人まで増加する見込み。今後も人口増加を背景に経済成長と住宅需要が期待できる一方、住宅の供給不足による価格上昇が社会課題となっている。近年は金利の高止まりによる住宅ローン借入可能額の減少から、より手頃な価格の住宅への需要が高まっている。
同社は、メトリコン社の販売機能や資材調達機能を取り込み、資材調達コストの削減や安定供給体制に発展させるなど、グループシナジーを追求。経営効率を向上させながら、オーストラリアの住宅不足の解決に取り組むとしている。
メトリコン社は、VIC州・QLD州・NSW州・SA州でおもに注文住宅事業を展開。幅広い商品ラインアップで、同社グループが未進出のVIC州メルボルンの周辺都市を含む広いエリアで高いブランド力を確立している。住宅着工戸数は全豪1位の年3894戸。
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